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プロヴァンスの美術館・博物館 

Musées en Provence
ソレイヤードの版木  

フランス語では、美術館も博物館も、たいてい「ミュゼ」。プロヴァンスおよびコートダジュールには、芸術、伝統工芸、歴史、自然、偉人などをテーマにした、大小様々な美術館や博物館・資料館が目白押し(プロヴァンスには博物館が、コートダジュールには美術館が多い印象)。

ここでは、見逃せない個性的なミュゼを挙げてみましたので、訪問前に開館時間、休館日や入場料などの最新情報を確認してください。

なお、コートダジュールでは「美術館パス carte musée Côte d'Azur」という、対象の58の美術館や史跡に3日または7日間何度でも出入りできる便利でお得なのパスがあるで、オススメ。観光案内所や主要美術館で買えます。[le 24 mars '04]

▼もくじ
 美術館博物館資料館関連リンクオススメ図書



美術館


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名称(場所)

見どころ・名物

プティ・パレ美術館(アヴィニョン)
Musée du Petit Palais (Avignon)
元枢機卿の館に、ボティッチェルリ作「聖母子」など、中世からルネッサンス期にかけてのイタリア絵画の傑作を収蔵
アングラドン・デュブリュジョー財団美術館(アヴィニョン)
Fondation Angladon-Dubrujeaud (Avignon)
パリの収集家による、モネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、藤田、モディリアニなどのコレクション
フォンダシオン・ヴァンサン・ヴァン・ゴッグ(アルル) 
Fondation Vincent Van Gogh(Arles)
ゴッホへのオマージュとして、様々な芸術家が作品を寄贈。「浮世絵とゴッホ」など、趣向を凝らした特別展も
セザンヌのアトリエ(エクサンプロヴァンス)
Atelier de Paul Cézanne (Aix-en-Provence)
エクス市の北の外れにひっそりとたたずむ。特に作品はないが、セザンヌのアトリエとその絵の世界が復元されている
マルセイユ美術館(マルセイユ)
Musée des Beaux-Arts (Marseille)
バロック彫刻やプロヴァンス派の作品など。19世紀後半建造のロンシャン宮殿Palais Longchampの
左翼内にある(右翼には自然科学博物館)。
なお、マルセイユには、コンテンポラリーアート美術館musee d'art contemporain
ピカソ美術館(アンティーブ)
Musée Picasso (Antibes)
グリマルディ城を改装。ピカソの彫刻が並ぶ庭から眺める、地中海の水平線が最高
国立ピカソ美術館(ヴァロリス)
Musée national Picasso le guerre et la paix (Vallauris)
ヴァロリス城の元礼拝堂にピカソによる「戦争と平和」を収蔵。陶芸美術館もある
ルノワールのアトリエ(カーニュ・シュル・メール)
Musée Renoir (Cagnes sur Mer)
ルノワール最晩年の家とアトリエ
地中海近代美術館(カーニュ・シュル・メール)
Musée d'Art Moderne Mediterranéen (Cagnes sur Mer)
シャガール、藤田、コクトーなど、コートダジュールを愛した現代画家たちの作品をバロック風の城に収蔵。1階にはオリーヴ博物館もある
フラゴナール美術館(グラース)
Villa-Musée Fragonard (Grasse)
ロココ時代の画家の作品を18世紀の貴族の別荘に収蔵
ラノンシアード美術館(サントロペ) 
Musée de l'Annonciade (Saint Tropez)

点描派の巨匠シニャックをはじめマティス、ブラックなど
サントロペを愛した近代画家たちの作品を収蔵

マーグ財団美術館(サン・ポール)
Fondation Maeght (Saint Paul)
現代美術の理解者マーグ夫妻と交流のあった、ブラックのステンドグラス、シャガールのモザイク、ミロの迷路などの名作を収蔵
近代・現代美術館(ニース旧市街)
Musée d'Art Moderne et d'Art Contemporain (Nice)
1960年以降の作品を展示。ポップアートがニースの青空とよくマッチ
国立シャガール美術館(ニース)
Musée National Message Biblique Marc Chagall (Nice)
「人類創造」や「楽園追放」など、聖書のメッセージをテーマにした作品を展示
マティス美術館(ニース・シミエ地区)
Musée Matisse (Nice)
マティスの作品や遺品が展示されている。ヴァンスの礼拝堂のための習作を集めた部屋もある
国立フェルナン・レジェ美術館(ビオ)
Musée national Fernand Léger (Biot)
キュビズムを代表する画家レジエの作品を収蔵
コクトー美術館と結婚の間(マントン)
Musée Cocteau et la salle des mariages (Menton)

コクトー自ら改修した海辺の小さな城砦に、絵画、陶芸、書簡などを収蔵したコクトー世界。
また、マントン市庁舎内には「結婚の間」、ヴィルフランシュ・シュル・メールには「サン・ピエール礼拝堂」がある


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博物館

名称(場所)

ひとくちメモ

アルラタン民俗博物館(アルル)
Museon Arlaten (Arles)
プロヴァンス文化の保護に尽力した詩人フレデリック・ミストラルにより、ノーベル賞の賞金で1906年に完成。
18世紀以降の民族衣装、家具、民芸品、文学など、プロヴァンスの民俗・文化資料が豊富
アルルとプロヴァンス古代博物館(アルル)
Musée de l'Arles et de la Provence antiques (Arles)
先史時代からローマ時代を経てキリスト教化されるまでのアルルの歴史と文化の変遷を扱った考古学博物館
グレヴァン蝋人形館(サロン・ド・プロヴァンス)
Musée de Grévin (Salon de Provence)
蝋人形で映画「愛と宿命の泉」のシーンやプロヴァンスの伝統的な生活の様子が再現されている
マルセイユ石鹸博物館(サロン・ド・プロヴァンス)
Musée de Savon de Marseille (Salon de Provence)
創業1900年の「マルセイユ石鹸」製造に関する資料館
ソレイヤード博物館(タラスコン) 
Musée Souleiado (Tarascon)
高級プロヴァンス・プリントの本社に併設。木型や天然染料、衣装などが展示され、老舗ならではの歴史を感じさせる
サントン博物館(マルセイユ)
Musée du santon (Marseille)
サントン職人マルセル・カルボネルの個人コレクション。
なお、マルセイユには、陶磁器美術館Musée de la Faience、服飾モード美術館Musée de la Mode 、交通博物館Galerie des Transports、オートバイ博物館Musée de la Motoなど、テーマ毎の博物館が目白押し
マルセイユの歴史博物館(マルセイユ)
Musée d'Histoire de Marseille (Marseille)
ローマ遺跡からの発掘品などを展示。古代遺跡のある公園が隣接。古代ローマの埠頭博物館Musée des Docks Romains、古きマルセイユ博物館Musee du Vieux Marseille
マルセイユの海と経済博物館Musee de la Marine et de l'Economie de Marseilleとあわせて観ると、マルセイユの歴史や風俗をより深く知ることができる
地中海考古学博物館(マルセイユ)
Musée d'Archeologie Mediterranéenne (Marseille)
古代エジプト彫刻コレクションの充実度はルーブルに次ぐ。
旧市街パニエPanier地区のラ・ヴィエイユ・シャリテLa Vieille Charite(慈悲院:17世紀建造の貧困者用公団跡)にあり、他にもアフリカ・オセアニア芸術博物館Musee d'Arts Africains,Oceaniens et Amerindiensなどがある
自然科学博物館(マルセイユ)
Muséum d'Histoire Naturelle (Marseille)
プロヴァンスの動植物に関する展示と水族館。パレ・ロンシャン宮殿Palais Longchampの右翼内にある(左翼にはマルセイユ美術館)
ラヴェンダー博物館(リュベロン)
Musée de la Lavande (Luberon)
収穫から蒸留までの工程がわかる展示。ショップではエッセンスオイルなどラヴェンダーに関する製品が入手できる。カヴァイヨンからゴルドに向かう途中にある
コート・ド・プロヴァンス・ワイン会館(レザルク)
Maison des Vins Côtes de Provence (Les Arcs)
AOCワインのコート・ド・プロヴァンスのあらゆる銘柄を試飲・購入できる上、レストランではプロヴァンス料理とワインを楽しめる。産地のほぼ中心部にして、エクスとニースの中間地点に位置する
プロヴァンス美術歴史博物館(グラース)
Musée d'Art et d'Histoire de Provence (Grasse)
ミラボー伯妹のロココ調の館。陶磁器コレクションなど
国際香水博物館(グラース)
Musée international de la parfumerie (Grasse)
クリスタルの香水瓶など、香水に関するコレクションを展示。併設のフラゴナール香水工場では香水の工程を見学できる
プロヴァンス民族衣装・宝石博物館(グラース)
Musée Provençal du Costume et Bijou (Grasse)
フラゴナール社による、18・19世紀のプロヴァンスの衣装や装飾品のコレクション
マリンランド(アンティーブ)
Marineland (Antibes)
ヨーロッパ唯一の、イルカとシャチのショーが自慢の、海のテーマパーク。サメの泳ぐトンネルもある
王立海洋博物館と水族館(モナコ)
Musée Océanographique et son Aquarium (Monaco)
海洋学者でもあった大公アルベール1世により1910年設立。
1957〜80年にかけて海洋探検家クストーが館長を務め、海洋探検艇カリプソの基地でもあった。海洋研究所としても名高く、宮殿のような建物は海の殿堂にふさわしい
国立海軍博物館(トゥーロン)
Musée national de la Marine (Toulon)

第一帝政時代に王室海軍造船所跡に造られ、ガレー船から軍艦までが展示されている。建物も素晴らしく、フランス第一の軍港トゥーロンにふさわしいマリタイム(海事・船舶)ミュージアム

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資料館・記念館

名称(場所)

ひとくちメモ

ファーブル記念館(オランジュ近郊セリニャン)
Harmas de Fabre (Sérignan)
「昆虫記」を書き上げた場所。昆虫にとどまらず、動植物、鉱石など、博物学者にふさわしい膨大な採集資料に圧倒される。庭もすばらしい。なお、2005年4月まで改修工事のため閉鎖
ノストラダムス資料館(サロン・ド・プロヴァンス)
la maison de Nostradamus (Salon de Provence)
晩年のノストラダムスが、預言書「諸世紀」を書き上げた場所が一般公開されていて、蝋人形などでその様子が再現されている
マルセル・パニョルの生家(オバーニュ)
La maison natale de Marcel Pagnol (Aubagne)
「プロヴァンス物語」や「愛と宿命の泉」などで有名な劇作家パニョルの生家。サントンでパニョルの世界を再現した"Le petie monde de Marcel Pagnol"や足跡ツアー”Le circuit pedestre”も
ジャン・ジオノ会館(マノスク)
Centre Jean Giono (Mamosque)
「木を植えた男」や「屋根の上の軽騎兵」などで有名な、高地プロヴァンスを代表する小説家ジオノの資料館。ゆかりの地をガイドつきで巡るツアーも(半日から2泊3日コース)

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Le réseau des Muséums d'histoire naturelle P.A.C.A.
(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏の自然科学博物館網)

オススメ図書


プロヴァンス 歴史と印象派の旅
牟田口 義郎、佐々木 綾子、佐々木 三雄
新潮社 とんぼの本

タイトル通り、第一章がプロヴァンス各都市の歴史(オランジュ、アヴィニョン、ポン・デュ・ガール、ニーム、エーグ・モルト、グロー・デュ・ロワ、サント・マリー、アルル、レ・ボー、サン・レミ、エクス、マルセイユ、コート・ダジュール)、第二章が印象派の足跡(アヴィニョン、アルル、サン・レミ、モンペリエ、マルセイユ、エクス、サン・トロペ、カネ、ヴァロリス、アンティーブ、ビオット、カーニュ、サン・ポール、ヴァンス、ニース、ヴィルフランシュ、マントン、ボルディゲラ)を追う旅になっていて、写真は少々古く感じるが、文章が読みものとして興味深くとてもためになり、プロヴァンス旅行が待ち遠しくなる。


世界・美術の旅ガイド 南フランス プロヴァンスとコート・ダジュールの美術館と画家たち
キークリエイション 美術出版社

ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、ルノワール、マティス、シャガールといった、南フランスを愛した芸術家たちの足跡をたどりながら、個性的な美術館・博物館めぐりをするのにもってこいの一冊。きれいな写真が豊富。表裏のどちらからも読むことができ、表からは美術館情報や地域ガイド・旅情報、裏からは南フランスを愛した芸術家たち、となっている。


Jacques Cousteau the Ocean World
Jacques Ives Cousteau Abradale/Abrams
7つの海を探検・調査した「海の恋人」クストーによる、海中写真集。1953年、著書「沈黙の世界」がベストセラー。1956年、同名映画で未知なる海中世界を初めて世界に紹介し、カンヌ映画祭グランプリとアカデミー賞をW受賞。アクアラングは彼の開発によるもので、ダイビングをやっている人は彼に感謝。モナコ海洋博物館・水族館の館長も勤めた

プロヴァンス 碧い海と碧い空と…
田辺 保 恒星出版

大阪市立大学名誉教授の著者が、前半部分では「ローマ時代」「キリスト教伝来」「中世」といった歴史や、後半部分では「ペトラルカ」「ミストラル」「ドーデ」「パニョル」「ジオノ」といった文学者などを通して、プロヴァンスの魅力を丁寧に紹介。
プロヴァンスの入門書として最適。旅行ガイドの次に買うならこれ。リピーターや留学生は必携。
ちなみに、イラストを担当した娘さんの作品は、Keiko Tanabe Web Siteに続々発表されている。


まだまだオススメ本あります→プロヴァンスに関する本

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